組織作りの序章:中小企業は人に依存する組織です

組織作りの序章:中小企業は人に依存する組織です

スタッフに任せる仕事は若くても経験がなくても、守備範囲は広くて深く、組織横断的になり、権限は大きくなります。不得手なことも経験ないことも「やればできる」とスタッフへの社長の期待はいやでも大きくなりがちで、そうしなければ会社は回りません。社長は部下に大きな要求をしています。

中小企業はフェンスのような組織です。

中小企業の組織は大手企業と違い曖昧で、自由に行き来できるフェンスのような組織です。職務を全うする(目的を達成する)ためには役割を越えて、組織横断的に臨機応変での対応が求められます。従って、中小企業はこのような組織に対応できる人材を如何に育てるかが大きな経営課題なのです。

人材育成が会社の将来を左右します。

中小企業を支える幹部は商売感覚と経営的なバランス感覚を持つ商人エンジニア/商人職人が求められます。しかし、人材育成は現場任せになりがちで、配属先に依存した人材教育になりがちです。このような現場任せの教育では中小企業の将来を担うバランス感覚ある人材育成はできません。会社として、将来を担う人材の育成をしなければなりません。

社長は美しい誤解をしています。

社長は社員とは違う存在であることに気がつかねばなりません。

適材適所で人材を登用する。

中小企業は人に仕事がついています。それは人に仕事を丸投げしているのと同じです。従って、重要な人材に何かあると人に仕事がついているために経営に大きな影響があります。仕事に人がつく組織では仕事内容は明確で、必要なスキルもハッキリしています。人材育成と適材適所での人材登用もやりやすくなります。「人に仕事をつける組織」から「仕事に人をつける組織」へ転換しなけばなりません。

経営者視点を持つ幹部社員を育成する。

社長は「笛吹けど踊らず」で悩んでいます。社長は部下に仕事を任せても自主性を持って職務遂行しないスタッフに悩んでいます。特に幹部社員には自分の仕事だという当事者意識を持ってもらい、経営者視点で職務の遂行をしてもらいたいものです。中小企業はビジネスマインドを持つ幹部社員の育成が最重要課題です。

会社の成長ステージにより求める人材像は違います。

創業期、成長期、飛躍期・・と組織の求める人材が変わっていきます。創業期はスタッフは何でも自分でやらなければなりません。少し規模が大きくなるとマネジメントが発生します。会社は成長すると「課ができ、部ができ、事業部ができ・・」と組織運営をするようになり、人材も成長していかなければなりません。社長は未来の人材像を見据えて人材育成をすることが重要です。


振り返ると、人には大変苦労しました。人材は人財、人が育てば会社は伸びるということは正しいことですが、まあ大変でした。この悩みはどこの会社の社長も同じだと思います。創業時、発起人から身内を入れず、経営をディスクロジャー、男女問わず若手を登用してやる気ある活性化された組織作りを目指しましたが、思いは伝わらず、苦労の連続でした。

「発起人から身内を入れない」というのは社長からの凄いメッセージですが・・・、それだけでは上手くいかない時代なのです。人材育成に悩んでいる中小企業社長に私の失敗や苦労した経験、そこから見えてくるやり方や手法がお役に立てれば幸いです。