こんにちはたけうちです。
資金繰りの件である社長から相談を受けました。
社長は「毎月の資金繰りがブレるで、気が抜けない」と悩んでいました
社長は工事会社を先代(父親)から引き継いで、社長に就任しました。業態は典型的な請負ビジネスで、少なくとも3ヵ月から半年先までの受注予測をしないと資金繰りが上手くいきません。しかし、営業からの受注売上入金予測の精度が悪く当てにならないので困っていました。実情をお聞きすると次のような悩みを抱えていたのです。
- 予定していた受注が突然スリップする
- 当月末入金予定で資金繰りに入れていた入金がズレる
- 営業に受注予想を聞いてもハッキリしない
- 営業報告の受注予定案件が理由なく消える
- 営業は追加変更仕様に見合った金額を請求しない
- 現場は追加変更仕様の対価をもらえずにその仕事をしている
- 納期がズレて検収できず、回収が遅れる
- 予定外の外注費の支払依頼が現場から急に出てくる
- 営業報告から案件状況/顧客状況が見えてこない
上記の悩みはこの社長だけの特別な悩みではありません。請負事業会社の社長はこのような悩みを共通に持っています。
このような資金繰りの悩みを抱える会社の11の共通点
- 資金繰りは社長の感ピュータでやっていて、資金繰り表がない
- 会社が大きくなり、社長から現場が見えなくなってきた
- 商談管理や顧客管理が出来ていない
- 営業は顧客の情報収集が出来ていない
- 営業は案件に対しての受注シナリオを描いていない
- 営業は受身の営業で顧客の言うなりになっている
- 営業は待ちの営業で仕事が来るのを待っている
- 営業は顧客に提案できない
- 現場リーダーは顧客折衝が苦手だ
- 現場リーダーのコスト意識が低い
- 現場リーダーとしての営業活動をしていない
大きな3つの原因が資金繰りを見えなくしていました
その1.営業
会社規模が大きくなり、今まで社長がやっていた営業活動を営業担当者に任せようとしていました。それが上手くいかず、前述の悩みを抱えることになっていました。
その2.顧客折衝力
2つ目の原因は現場リーダーの顧客折衝力が弱かったことでした。今までは社長が窓口でしたので、仕様が膨らみそうであれば事前に顧客に提案し、次の仕事の算段も顧客と事前に打ち合わせをして受注していました。
しかし、現場リーダーにはそのような経験はありませんでした。結果、採算は悪くなり、次の仕事もスムースに受注できなくなっていました。
その3.社長から部下への継承
3つ目の原因は社長がやってきたことが継承されていませんでした。業務内容や業務手順、マネジメント手法が標準化されていなかったので、営業的な意識も低い未経験者に「そんなこと自分で考えろ」と丸投げされていました。
もちろん、OJTで社長は教育していましたが、スタッフは頭では理解できても具体的なやり方まではピンと来ていなかったのです。
まとめ
社長は営業を自分に戻し、営業担当に基本を教えることにしました。又営業報告を聞きながら具体的な指示を担当営業に出すようにしました。
又、現場リーダーに顧客からの追加や仕様変更は先ず報告をするように指示して、現場リーダーの相談に乗りながら対応するようにしました。
そして、業務内容や業務プロセスを分析し、徐々に標準化していきました。
ところで、お読みになっている皆様は「資金繰りなのに!」と思われるかもしれませんが、資金繰りは現場活動の結果ですので元から改善しないと駄目なのです。尚、多かれ少なかれ、請負ビジネスを展開している会社は同様の問題を抱えています。
(神楽坂コンサルティング株式会社 社長の相談役 竹内一郎)