こんにちは、たけうちです。
ある社長から「社長として決断をするときに相談する人がいない」と言われました。お聞きすると、社長は相談したい時には周囲に相談しているのですが、「最もらしいべき論や抽象的なアドバイスが多く、結局手探りで考えて決断しているのです」と笑っていました。
まとめると話は次のようなことでした。
違う違う、そうじゃない…社長の相談に対するズレたアドバイス
- 社長(自分)の立場になって話を聞いてくれる人が少ない
- アドバイスは実際に体験したことでなく、一般論や机上の論理が多い
- 正しいが総論なので具体的に実務に落とせない
- 専門家としては素晴らしいが、アドバイスは実情に合わない
- 「権限を委譲しろ」とか「部下に任せろ」だとか、正しいが参考にならない
- 相談している問題を分析だけして最もらしい意見を言う
- 問題解決に向けて、実務的で的確にバランスよく社長視点でアドバイスできない
社長になってから「経験したことがない問題」、「社運をかけた問題」、「しょうもない問題」を相談こそしましたが、実際は一人手探りで決断し対応してきました。
しかし、最近、問題課題を片手間では解決できなくなってきました。それは会社が大きくなり、問題課題が複雑になったのです。社長は大所高所から社長視点で具体的に示唆してくれるような人がいないかと悩んでいました。これは多くの社長が思っていることなのです。
このような会社は発展途上で、次のような共通点が見られます
- 社長や経営幹部が主要業務を兼務している
- 会社は人に依存する組織運営になっている
- 組織図はあるが組織運営は臨機応変である
- 業務内容やプロセスは担当者意外には見えない場合が多い
- 経営管理は社長や経営幹部がアナログでおこなっている
- 経営管理は臨機応変で見えない
- 問題課題は組織横断的で複雑に絡み合っている
- 中堅若手が育っていない場合が多い
- 中途人材を採用しては失敗している等など
専門家に物足りなさを感じる内容と理由は?
このような発展途上の会社は経営が複雑に絡み合っていますので、専門分野に特化した専門家の能力は発揮しにくいのです。ですから、社長は専門家に対して次のような物足りなさを感じてしまうことが多いのです。
- 組織出身なので致し方ないが、守備範囲が狭く経験していないことが多い
- 従って、実務経験に裏打ちされたアドバイスは望めない
- ある分野の専門家として優れいるが、アドバイスは発展途上会社なので実情に合わない
- また、問題課題解決を何でも自分の専門分野に置き換えてアドバイスをする
- 状況の分析は素晴らしが、どう対応すれば良いかのアドバイスがない
- アドバイスは抽象的でどうやるかは貴社の問題と線引きされる
- 机上のべき論や一般論が多く、正しいが実務上の役には立たない
- 社長(自分)の立場を理解して話を聞いてもらえない、等など
特に足踏み期(地固め期)の中小企業ではこのように感じている社長は多いと思います。 それは会社が大きくなり、様々な問題課題に直面し、会社経営のやり方も変えなければならないターニングポイントだからなのです。
専門家をうまく活用する方法は?
社長の相談相手の理想はいろいろありますが、以下のような人だと思います。
- 中小企業の会社経営を包括的に実務から経験してきた人
- 現状を理解し、フットワークがよく、経営実務の実践を重んじる人
- 社長をたて、社長や経営幹部と相性が良く、辛口でも気軽に相談に乗ってくれる人
しかし、現実的には複数の専門家との間合いを理解し、上手く活用することだと思います。
- 専門分野に優れていて、バランスよく中小企業の経営を理解している人
- 現状を理解し、専門家としてのべき論でなく、実務視点でアドバイス出来る人
- 先生でなく当事者意識で、辛口でも気軽に相談に乗ってくれる人
いづれにしても、社長や経営陣との相性が重要です。